農家の仕事の中でもサイレージ作りは、怪我や死亡事故を招く危険性が高い作業です。作物の収穫から飼料の取り出し、給与に至るまで、作業者はサイレージ作りのあらゆる段階で様々な危険に向き合います。
どのような事業であったとしても、人こそがもっとも大切な資源です。農場で働く人々や訪問する人々の安全を守ることは、何よりも優先されなければなりません。サイレージ作りにおける安全対策について、皆に理解してもらいましょう。そうすれば経営者は、サイレージが動物と農場の生産性にもたらす利益について、集中して考えることが出来ます。
安全のために大切なのは、予防です。サイレージのバンカーやスタックサイロの近くで作業をする時は、次の7つの安全ルールを守って下さい。
- 安全な距離を確保する
- サイロの取り出し面から、サイロの高さの3倍以内の距離に立たない。
- 取り出し面の近くに、車や機材を置かない。
- 取り出し面の近くに、人を近づけさせない。
- 訪問者や通行人がこれを守れるように、警告看板を設置する。
- 一人で作業しない
- バンカーやスタックサイロの近くでは、決して一人で作業しない。
- サイロの近くで作業する時は、安全ベストを着る。
- サイロの上や中で作業する時は、安全な場所にいる仲間と声を掛け合い、互いに視認できる距離を保って作業する。
- 安全に詰め込む
- 取り出し用機械が安全に届く高さ以上に、サイレージを高く積まない。
- サイレージ用機械の操作は、訓練を受け経験を積んだ人のみが行う。
- 適切な詰め込み方法で詰め込む。
- メンテナンスは慎重に行う
- ビニールシートや、タイヤ、タイヤの側面、砂利袋等を動かす時は、慎重に行う。
- 検査や診断は慎重に行う
- 取り出し面が高さ5 mを超える場合は、コアサンプルを採取しない(筒を用いたサイロの密度測定を行わない)。
- ホイールローダーでサンプルを削り取った時は、サイレージの入ったバケットを取り出し面から離れた安全な場所に移動する。その後にサンプルを取る。
- ホイールローダーのバケットに人が乗ってサンプルを採るようなことは、決して行ってはいけない。
- 正しい方法で取り出し、給与する
- 決してサイレージの山の下部から、掘り出さないこと。下部を掘った場合、上部にサイレージの張り出しが形成され、崩れてくる危険がある。
- 取り出し機械を用いる時、決して詰め込み過ぎのバンカー又はスタックの取り出し面と平行に走らせたり、近くを走らせたりしてはいけない。
- サイレージから発生するガスに注意する
- 原料草投入後から最初の3日間は、サイロ内に入ってはいけない。
- どうしてもサイロに入らなければならない時は、先ず換気を行い、必ず誰かもう一人と一緒に入る。
- サイレージからオレンジ色や茶色のガスが漏れ出ている場合、これは非常に有毒です。ガスが完全に放散されるまでサイレージに近づかない。
- 炭酸ガス(一酸化炭素および二酸化炭素)は無色で、窒息する可能性があるため危険。シーズン最初の開封時は、慎重に行う。特に閉鎖空間では気を付ける。
サイレージから発生するガスに関する追加情報
サイレージ発酵の初期段階では、危険なガスが自然発生します。条件次第で、こうしたガスの生産・放出量は増えることがあります。干ばつの後の大雨や、霜や雹によるダメージは、ガス発生量を増やすことがあります。
二酸化窒素と炭酸ガス(一酸化炭素・二酸化炭素)は、サイレージに関する2大有毒ガスです。必ず注意してください。
- 二酸化窒素は、少量でも吸い込むと危険です。肺炎様の症状が出る他、気付かず治療せずにいると死に至ることがあります。短時間の曝露でも命の危険があります。危険を知らせる徴候は、色が黄色又は茶色で、漂白剤のような臭いのガスです。このガスで、サイレージや他の物に黄色い染みができることがあります。
- 炭酸ガス(一酸化炭素・二酸化炭素)は無色ですが、窒息する可能性があり、大変危険です。
さらに詳しく
安全なサイレージ作り作業ついて、もっと詳しく知りたい方は、専門家によって書かれたこちらの資料もご覧ください。
- Basics of Silage Safety Video(英語) サイロ周辺で作業をすることの危険を認識し、リスクを軽減するための良い作業手順を再確認して頂くための、8分間のビデオです。
- Silage Safety Handbook(英語・スペイン語) 無料でダウンロードできるハンドブックです。バンカーサイロ及びドライブオーバーパイルの作り方、維持、取り出し給与に関する実践的なヒントと、サイレージ調製工程で自然発生するガスの危険に関する情報を掲載しています。
安全なサイレージ作り作業について更に詳しく知りたい場合、 ご連絡先をお教え下さい 。担当者よりご連絡させて頂きます。