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ロールベールラップサイレージ

ロールベールラップサイレージには、ベールを1個ずつラップするものと、複数のベールを連続的にラップするものの2種類があります。1個ずつラップする方式では、様々な大きさの、角形や丸形のベールを作り、伸縮性プラスチックフィルムを幾層か、ベールの周囲に巻き付けます。ベールがラップで完全に覆われると、嫌気的な発酵が開始されます。連続ラップ方式では、同じく伸縮性プラスチックフィルムを巻きますが、ベールどうしは隣合わせに置かれ、ベールがチューブ状に並ぶことになります。(連続ラップ方式は、日本にありますか??)

個別ラップ又は連続ラップによってロールベールラップサイレージを作る場合は、以下の長所と短所を頭に入れておいて下さい。

長所短所
• 成熟度に応じて、柔軟な収穫ができる
• 少量ずつの収穫がしやすい
• 刈り取り時期の異なるものを分けることができる
• 乾草を作ることが出来ない天候の時、代わりの保存方法となる
•輸送がしやすく、販売用の粗飼料形態として適している
• 特殊な機材が必要
• サイレージの1トンあたりコストが高め

詰め込みと圧密

ロールベールラップサイレージを作るには、場所の準備が極めて重要です。まず、プラスチックフィルムが傷付かないよう滑らかな床面を選びます。そしてできれば、ベールに巻いたフィルムが何層も重なっている平らな面を下にして置いて下さい。

ロールベールラップサイレージの水分率は、40~55%が理想的です。これにより、ラップしたベールの適切な発酵と長期保存が可能になります。またこの水分レベルで収穫すると、乾物損失量も少なく済みます。乾物率がもっと低くても効率的なベール作りは可能ですが、その場合はベールを積み重ねないで下さい。積み重ねるとラップがずれて空気の侵入を許すことになり、飼料価値の損失と腐敗の進行につながります。

ベールは、ラップを巻く機械とローダーに合ったサイズと重さにして下さい。原料草の水分が多い場合、ベールはかなり重くなります。その重さに対応できるローダーを使って下さい。また重いベールの場合は、ラッピング時・積み上げ時・保管中に、ラップが破ける、穴が開くといった問題が生じやすくなります。

最適な貯蔵のためには、24時間以内にベールにラップを巻いて下さい。ラップを巻くのが遅れると、発熱・飼料の質の低下・腐敗による乾物ロスの増加リスクが高くなります。

 

カバー掛けと密封

ベールに巻くプラスチックフィルムは、最低でも6重にして下さい。アルファルファのようなより繊維質な原料草の場合は、硬い茎でフィルムが破ける危険性が高くなるので、もう1重余分に巻いて下さい。

効率的なラッピングを行うには、ロールベーラーのメンテナンスが重要です。ローラーへの付着物は、毎日、除去しましょう。

ラップを巻く時は、各層の重なりが50%ずつ必要です。つまり、下の層に半分重ねるように次の層を巻くので、一巻きでラップフィルムの幅の半分の幅が巻かれることになります。ラップの伸び率は50%必要です。つまり元の長さが50 cmだった場合、伸ばしてベールに巻き付けた時の長さは75 cmになるということです。このようにすると、理想的な防御層が得られます。

腐敗による損失を減らすために、保存中にラップフィルムが傷付かないよう、気をつけて下さい。

 

取り出し

ロールベールラップサイレージを作るには、高い投資費用が掛かっています。そのため、サイレージを取り出す時の乾物ロスを抑えることが重要です。

取り出し時の損失を抑制するには、リングフィーダー、可動給餌カート、又はタブグラインダー(ベールのサイズによります)が役立ちます。

大型丸型ベールサイレージの質的特性から、特にマメ科原料の割合が高い場合に、動物によるたんぱく質の過剰摂取を招くことがあります。ロールベールラップサイレージは戦略的に利用する、あるいは制限して与えることを考えて下さい。

保存期限

ベールサイレージの保存期限は、ラップフィルムの持ちの問題との兼ね合いで、一般的に12ヶ月くらいです。

さらに詳しく

高品質なベールサイレージ作りについて、もっと詳しく知りたい方は、専門家によって書かれたこちらの資料もご覧ください。

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