地球温暖化の影響は、この40年間のうちに広く認識されるようになりました。正確な測定によって、エルニーニョ・南方振動が陸上の干ばつに影響を及ぼし、1923年から2010年の間に世界的な乾燥傾向が確認されたことが報告されています (Dai)。
気候変動が最終的に地球にどの程度の影響を与えるかは、変化の速度と範囲を含めて依然として分かっていません。 しかし これらの変化は、極端な気温の上昇や降水量の増加、降るはずの雪やあるはず氷の減少、海面上昇などの事象によって、より鮮明になってきています。人類によってもたらされる気候変動は、何世紀にもわたって続く可能性が高いと考えられます (Karl and Trenberth)。
氷河の観察から推測すると、気候変動は過去数千年にわたって周期的に変化しています。しかし過去100年以内に起こった大気の変化は、これまでのパターンとは異なっています。近年の変化は、同じ期間に世界人口が劇的に増加し、並行して工業化が進んだことに直接関連している可能性があります。
人口は2000年代に入る頃から劇的に増加しており、食料の需要は2050年までに50%増加すると予測されています(Flies et al.)。人類の増加に伴う人間の活動と食糧需要による食物生産の増加は、さらなる森林伐採につながり、結果として局所的な富栄養化を生み、問題が複雑化しています。
同様に、需要が増加しているバイオガスエネルギー用のサイレージに関して、その原料作物の成長は気候変動の影響を受けます。バイオガスを使用することは、間接的に炭素燃料の使用量に影響を与え、使用量を抑えることにもつながります。
気候変動は、国や地域において、風、気温、降雨(降水量と降る時期の両方)、雪/みぞれ等に影響を与えます。これらは、耕作時期、播種、発芽、殺虫剤散布や施肥、作物の成長、雑草の成長、肥料の使用、 収量、 収穫時期に直接影響を与えます。つまり農場でのサイレージ調製の時点で、既に影響が表れていると言えるでしょう。