サイレージからより多くの畜産物を得ることができれば、飼料費の節約と収益性の向上につながります。これを達成するには、高品質のサイレージを作ることが必要です。自給飼料からより多くの乳・肉を生み出すには、サイレージの生産計画が重要です。高品質のサイレージを生産しようとする際に、考慮すべき要因をご紹介いたします。
収穫時期
サイレージの原料となる飼料作物の種類と、作るサイレージの種類に基づいて収穫予定日を設定します。サイレージ用グラスは、年に数回、シーズンの始め頃から収穫することができ、消化が良く高いエネルギー価を持ったサイレージの原料になります。 サイレージ用穀物は、デンプンと繊維のバランスを見て収穫することができ、繊維を多くしたいのか、またはデンプン量を増やしたいのかによって収穫時期を調整します。農場の給与計画に合ったサイレージ作りを計画しましょう。
正しい施肥
計画された収穫間隔と散布適期に十分な施肥を行います。発酵やサイレージの品質に悪影響を与えるため、過剰な施肥をしてはいけません。
コントラクターとの連絡
コントラクターに早目に連絡を取り、いつどのような収穫をしたいかを十分に共有することが不可欠です。収穫日が不適切であった場合、サイレージの品質と出来たサイレージの種類の両方に影響がある可能性があります 。例えば、より繊維の多い飼料を得るためにトウモロコシを早期に収穫したかったのに、収穫の遅れによって、高デンプンのトウモロコシになってしまう可能性があります。
飼料分析
収穫のタイミングを、圃場に生えている作物の外観だけに頼って決めてはいけません。良い発酵と品質のサイレージを得るために、定期的に飼料分析を行って下さい。飼料分析によって、望んでいる品質のサイレージを必ず得ることが出来ます。
刈り取りの高さ
収穫する原料作物に応じて、正しい位置で刈り取りをします。刈り取り高さが高すぎると、貴重なエネルギーや栄養素が圃場に取り残されてしまいます。一方で低すぎると、土によって原料作物が汚染され、サイレージの品質に深刻な影響を与える可能性があります。グラスの場合6cm以上の高さを残すことで、次回収穫のための急速な再成長が可能になります。
サイロ詰め
サイレージの原料を入れる前に、バンカー/サイロが十分にきれいであることを確認してください。最後にサイロはきつく詰め、密封する必要があります。可能であれば酸素バリアシートの使用が望まれます。
サイレージ調製材の使用
サイレージ調製材を使用することによって、サイレージの栄養価を高く維持し、変敗などによるサイレージの廃棄を最小限に抑えることができます。使おうとしている原料作物の乾物率と種類に適した、サイレージ調製材を選んでください。対象作物についての製品データが、きちんと存在することを確認しましょう。理想的にはそのデータが、第三者研究施設で行われたものであると良いでしょう。そしてすべての試験が、製品ラベルに記載されている推奨添加量で行われたものでなければなりません。サイレージ調製材の選び方については、こちらをご覧ください。