サイレージは、原料となる飼料作物の乾物率(DM)によって、作り方や収穫、踏圧方法を変えなければなりません。乾物率が30%未満になると、極めて排汁が出やすくなります。水分率が高ければ高いほど、排汁のリスクは高まります。 排汁によるエネルギーの流出は、大きな問題です。排汁には、タンパク質と糖などの形でエネルギーが含まれています。排汁はサイレージの飼料価値を減少させるだけでなく、その高い酸性度と酸素要求量のために環境にも悪影響を及ぼします。またバンカーの底部に溜まり、クロストリジウム属細菌や他の腐敗微生物にとって理想的な増殖環境を作ってしまいます。したがって可能な限り、乾物率が30%以上になるよう予乾をしてください。十分な予乾が出来ない場合は、排汁を減らすために、収穫時に次のような実用的な方法をとる必要があります。 :
- ハーベスターの刃は、鋭いものにする
- 切断長を長くする
- 踏圧を掛け過ぎない。乾物率30%以下の場合は、タイヤが細い車を用いた踏圧は行わない
- 乾物率が25%未満の場合は、サイロに詰める厚みを通常よりも厚くする。しかし高くしすぎて、原料が崩れないよう十分に注意する
- 難しい条件に適したサイレージ調製材の添加を検討する